蚊が媒介するマラリアなどの伝染病を不妊化したオス蚊をドローンで撒いて予防
繁殖力をなくしたオスの蚊をドローンで散布し、蚊の個体数の削減や蚊が媒介する伝染病の蔓延を抑える取り組みを大きく前進させられることが、複数の研究機関からなる研究者チームの実証実験で明らかになった。改善されたこの手法を使えば、多くの命を救うことができる。
蚊は世界中の人たちにマラリアの感染を広げ、数え切れないほどの死者や健康被害をもたらす公衆衛生上の敵だ。蚊を罠で捕獲するのも予防の一助になるが、積極的に虫の数を減らすアプローチも有効であることが証明されている。それは、オスの蚊を不妊化して自然に放つという方法だ。放たれた蚊は、他のオスの蚊と餌や交配相手を求めて競うことになるが、子孫は残さない。
問題は現場での作業が多いことだ。蚊による被害が多い地域に人が足を運び、不妊化した蚊を定期的に放たなければならない。空中散布やその他の散布方法も試されているがフランス、スイス、英国、ブラジル、セネガル、その他の国々の研究者からなるこのプロジェクトの方法が、今のところもっとも効果的で実用的なようだ。
大量に飼育され、放射線で不妊化したオスの蚊は、低温でカートリッジに詰められる(「チルド」蚊は飛んだり刺したりしない)。このカートリッジは、目標地域に運ばれるまで冷蔵保存される。その輸送はドローンが行う。