ドローン「レベル3.5」新設 政府、山間地の物流促す
政府は17日の規制改革推進会議の作業部会で、山間地など無人地帯でのドローン(小型無人機)利用の規制緩和案を示した。「レベル3.5」を新設して飛行経路下に人がいないか監視する補助員の配置を一定条件で不要にする。道路や鉄道上を飛びやすくして迅速な配達につなげる。
国はドローン飛行の難易度を示す4つのレベルを設ける。レベル3は人のいない川や森林などでの目視外飛行を認める。レベル4は目視外でも住宅地など人の密集地域の上空を飛べる。
現行のレベル3は鉄道や道路、船の航路など人が立ち入る可能性のある場所を飛ぶ時は現地での補助者の配置や案内板の設置を義務づける。
新たなレベル3.5での運用はドローンに搭載するカメラによる歩行者の確認や保険への加入などが条件になる。人を確認した場合は迂回するよう求める。2023年内に始める。
同日の会議に参加した企業からは補助員の配置に費用がかさみ案内板の設置にも時間がかかるとの意見があがった。企業のコスト負担が少なくなれば事業化が進む。山間地などの住民が生活物資を受け取りやすくなる。
業者が飛行許可を受けるまでにかかる期間も短縮する。国土交通省は24年度に手続きシステムを改修し、1日で完了するのを目指す。現在は10日前に申請する必要がある。
記事出典元:日本経済新聞社